19-20UCLラウンド16予想 リヴァプールvsアトレティコ編(2nd)

2020年3月16日

UEFAチャンピオンズリーグ・ラウンド16の予想Part4です。取り上げるのは、日本時間3月12日(木)早朝に2ndレグがキックオフとなるリヴァプールアトレティコ・マドリードす。


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両チームの比較

予想スタメン

システム自体は固定する傾向のある監督2名なので、顔ぶれは変わるかもしれませんが、4-3-3対4-4-2の対戦となるのは間違い無いと思われます。

両チームの現状や戦力の簡易比較

比較ポイント リヴァプール アトレティコ・マドリード
各国リーグでの調子 1位独走(27勝1分1敗) 5位と不調
戦力的な優位点 高度になんでもできるチーム。テクニックもフィジカル面もスキ無し リヴァプール相手だと優位点と言う程の優位点は無い
戦力的な不安点 GKアリソンが怪我 グリエーズマンの穴が埋まらず、頼れる点取り屋が不在
チャンピオンズリーグ経験 経験豊富(昨年優勝) 経験豊富(ここ10年準優勝2回)

リヴァプールの近況

昨年のUCL覇者リヴァプールは今年も絶好調です。

プレミアリーグでは29節終了時点で勝ち点82、2位のマンCと25差(マンCの方が1試合消化は少ない)で、プロ野球的な表現をすれば「マジック2」でしょうか。最速だと、3月21日のクリスタルパレス戦で優勝が決定します。かなりのスピード決着ですね。UCLのグループステージにおいても、ナポリに1敗こそしたものの、危なげなくラウンド16進出を決めています。

リヴァプールの戦術スタイルはクロップ監督直伝の「ゲーゲンプレス&ショートカウンター」です。敵陣でのボール奪取と、そこから手数をかけずに素早く攻撃するスタイルですね。一般的に、このスタイルは引いて守られると膠着状態に陥りやすいという問題点がありますが、今シーズンのリヴァプールはそれすらも苦にしていません。果敢に前に出てくる相手には的確なハイプレスからのカウンターで軽く料理し、引いて守る相手にはサイドバックからのピンポイントクロスやセットプレーでこじ開けて料理します。

敢えて1つ苦戦する相手の特徴を挙げるならば、「攻撃を捨てて最終ラインを6,7人にし、攻めて来たリヴァプールの両サイドバックを密着マークする」といったスタイルのクラブでしょうか。先日プレミアリーグで今シーズン初敗北を喫したワトフォード戦は相手が6バックのような状態でしたし、アトレティコとの1stレグも「敵サイドハーフが深い位置にまで戻るため、実質6バックをこじ開けないといけない」という状況でした。

こういう相手が苦手な理由は、リヴァプールの中盤センターに高いクリエイティビティーを備えた選手が不足気味だからです。中央の細かいパス交換で敵陣を乱して崩すことができず、引いた相手を崩す手段がサイドバックの高精度クロスに頼りがちとなり、そのサイドバックを密着マークで潰されると打つ手が無くなるというワケです。とは言え、相手側も攻撃への切替えが困難なレベルに深く引くため、せいぜいスコアレスドローに持ち込まれる程度ではあります。

注目選手としては、「南野!」と言いたいところですが、正直なところ大事な一戦においてスタメンはあり得ないでしょう。ファン・ダイクやアリソンを除くと、クロップ監督は「獲得してすぐにスタメン起用」はしていません。相応の順応期間が必要と思われますので、途中出場で20分出られれば御の字でしょう。「南野に期待するのは来シーズンから」くらいに思っておく方が、精神衛生上ベターです。

ということで、ここではファビーニョを推奨します。以前はモナコでサイドバックを担当していたブラジル代表の選手ですが、今はアンカーポジションを主戦場にしています。身長が高く、パスの振り分けも上手ですが、私が面白いと思うのは「ヌっと体を伸ばしてボールを奪うタックル(ダ〇シム的な)」です。高身長で足が長いからか、普通なら足が届かずにファールになるようなタックルでも、彼が実行するとボールに届いてしまって、「結果的にクリーンなタックルと化す現象」が起きますので、特に守備時に注目して欲しいですね。(下記twitterの動画はイエローカードを貰っていますが…)

アトレティコ・マドリードの近況

ここ数年、ラ・リーガ2強+1を形成してきたアトレティコ・マドリードですが、今期はグリエーズマンの抜けた穴を埋められずに苦しんでいます。

昨夏のプレシーズン頃は、「今期こそ攻撃的に行くぞ!」という勢いがあり、インターナショナル・チャンピオンズカップでレアル・マドリード相手に7-3で打ち勝ったり、4-3-3の練習に時間を費やしたりと期待が高まりました。しかし、蓋を開けてみるといつも通り4-4-2で堅守速攻です。人は変われど、やっているサッカーは昨年までと同じです。

守備陣は顔ぶれこそ変わったものの相変わらず堅く、失点数は29試合21失点とリーガ2位です(最少失点はレアル・マドリードの19失点)。センターバックのゴディンが抜けたことで守備力の低下が懸念されていましたが、ポルトから獲得したブラジル人DFのフェリペが"当たり"で、上手くフィットしてくれました。右サイドに加入したトリッピアーも及第点でしょうか。キーパーのオブラクが相変わらず世界最高峰のシュートストップを披露している点も忘れてはいけません。

逆に攻撃は今一つで、27試合31得点と得点欠乏症に悩んでいます。31という得点数はオサスナ、レバンテあたりと同程度で、バルセロナ(63点)の約半分と寂しい数字です。このせいで、「失点はしないが、点も入らないため勝ちきれない」という試合展開が多く、引分数ばかりが伸びています。ランキング表でアトレティコを見つけようとすると、引分数に注目するのが最も早いくらいです。

攻撃不調の原因は言わずもがな、グリエーズマンが抜けてゴールゲッターがいないことです。グリエーズマンの売却益を注ぎ込んでベンフィカから獲得した新星ジョアン・フェリックスは、凄そうな雰囲気こそあれど、今のところは「いつか覚醒しそうな若者」に過ぎません。モラタは相変わらず難しいシュートとヘディングシュートは決めるものの、1対1やスポっとマークが外れたようなタイミングではポカが多く、頭を抱えさせられます。2月中旬に負傷から復帰してきたジエゴ・コスタに「早く本調子になって」と頼むしかない状況です。

アトレティコの注目選手はサウール・ニゲスです。人手不足の左サイドバックをたまに担当したりもしていますが、やはり彼は中盤センターの選手で、ゴール前に走り込んでフィニッシュの一翼を担えるのが武器ですね。1stレグではコーナーキックからのこぼれ球を押し込んで、値千金のゴールを決めました。フォワード陣がパッとしない中、彼のような2列目が点を取らないとなかなか勝てないでしょう。(ゴールは下動画参照。ついでに1:00~の盛大にズッコけるモラタ君も見て欲しい

大量得点が起きなさそうな組み合わせ

前評判ではリヴァプールが有利と言われていましたが、蓋を開けてみた1stレグでは予想外にアトレティコが健闘し、1-0と勝利を収めました。

アトレティコの守備が堅く、リヴァプールがポゼッションを支配しているにも関わらず、なかなか良いシチュエーションでシュートに持っていけない印象でした。ちなみに、リヴァプールは1試合平均で15本程度のシュートを打つチームですが、アトレティコ戦は総シュート8本、枠内シュート0本と数字の上では完封されています。

2ndレグはアンフィールド(リヴァプールホーム)ですから、数字はいくらか改善するでしょうが、それでもアトレティコが大量失点するというのは考えにくいです(今期3月までで2点超の失点試合無し)。1stレグと同じく、ボール保持はできるが、シュートまで至らない展開になると私は思います。

どちらが有利かという点では、「1点ビハインドくらいなら、微差でリヴァプール”かなぁ”」というのが常識的な判断でしょうか。

延長戦に雪崩れ込んでアトレティコが勝つという妄想

<試合開始>

<前半02分>アトレティコリヴァプールにボール支配権を献上する。しかし、試合の勝利までは献上しない

<前半15分>リヴァプールの支配率が80%を超えるが、ペナルティエリア内でフリーになるようなタイミングは皆無で、有効なシュートが打てない

<前半25分>アーノルドがオーバーラップ。ドリブルが大きくなってしまいコケに奪われ、スルーパス1閃でモラタが抜けだす。しかし、モラタは華麗にキーパーをかわそうと捏ね繰り回した挙句、アドリアンの正面に蹴ってしまう

<前半35分>リヴァプールのコーナーキック。ファン・ダイクがメチャクチャ高い位置でヘッドを合わせるも、オブラクが「俺が世界一のキーパーだ」とばかりにスーパーセーブ

<前半終了>0-0で折り返し

<後半開始>アトレティコはすかさず、ボールをリヴァプールに献上。しかし、やっぱり勝利は献上しない。

<後半10分>膠着状態に喝を入れるため、ミルナーがIN

<後半40分>再度リヴァプールのコーナーキック。モラタがマークしていたファビーニョの服をモロに引っ張りPK!「PK絶対決めるマン」ことミルナーがPKを決める。リヴァプール先制!1-0(合計1-1)

<後半終了>合計スコア1-1で延長!

<延長開始>

<延長前半>相変わらずアトレティコ陣内で試合が続くが両クラブ点は入らない。

<延後10分>コレアが細かいドリブルで突破してシュートするもアリソンに弾かれる。が、高く上がったボールにモラタが超反応でオーバヘッド気味のボレー。スーパーゴールを決めて汚名返上!合計1-2!

<試合終了>1-2アトレティコ勝ち抜け!

※以下ツイートの正当性を自ら証明!

まとめ(&冷静な予想)

冷静に予想すればするほど、たぶんこのカードは分からないと思いますアトレティコが真面目に守り切るとも、リヴァプールが直近の勝負強さを発揮して逆転勝利するとも読めますね。

※11日PM冷静予想を追記:サラーの調子が良いので2点くらい取りそうです。ただ、1失点してしまい。合計2-2、アウェイゴール差でアトレティコが勝ち上がると予想します。

水曜朝5時が楽しみです!