チャンピオンズリーグの「先ホーム」と「後ホーム」はどっちが有利か
UEFAチャンピオンズリーグ(以下UCLと略)のグループリーグが一段落しましたね。試合を見たいですが深夜キックオフなのが悩みどころな毎日です。
さて、今日はUCLのラウンド16以降のホーム&アウェイ戦において、『1試合目ホームチーム』と『2試合目ホームチーム』のどちらが有利なのかについて、データを調べてみました!
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ナゼ有利不利が生じるのか
ホーム&アウェイ2試合方式の後先有利不利について、議論が起きる原因は以下の2要素が原因です。
- 延長戦が2戦目しか発生しえない
- アウェイゴールの価値が大きい
延長戦の存在
1つ目はそのままですね。ホーム&アウェイ2試合方式だと、同点からの延長戦が発生するのは2試合目だけです。延長時の追加30分をホームで戦えるという点が、「2試合目ホームチーム」に有利ではないかと言われています。
ただ、これには逆の見解もあります。現アトレティコ・マドリード監督のシメオネは、「貴重なアウェイゴール」を決める時間が延長で増える分、1試合目ホームチームが有利と考えているようです。
シメオネがCLに疑問呈す「2ndレグをアウェーで戦うチームの方が、アウェーゴール決める時間が30分長い」 https://t.co/fM51IBzJyJ pic.twitter.com/BO117YODRe
— Goal Japan (@GoalJP_Official) April 17, 2017
(参考記事リンク)
アウェイゴール
2つ目はアウェイゴールのルールですね。本ページを読んでいるような方には釈迦に説法かもしれませんが、念のためルールを説明しておきます。
※アウェイゴールのルール
トーナメントにおいてホーム&アウェイの2試合を行い、その合計点で勝敗を決する際、2試合の合計点が同点だった場合に、アウェイゴールが多かった方を勝者とするルール
大雑把にまとめると、ホーム試合でのゴールより、アウェイ試合でのゴールの方が価値が高いってことですね。 一例として、このルールで決着した直近のケースを紹介します。昨年度(2018-19)UCL準決勝のトッテナム対アヤックスで、2試合の結果は以下の通りです。
1試合目:トッテナム(H)0 – 1(A)アヤックス
2試合目:トッテナム(A)3 – 2(H)アヤックス
2試合の合計は3-3で同点ですが、アウェイゴールはトッテナム3点に対し、アヤックスは1点です。これによりトッテナムが勝ち上がりました。
このアウェイゴールは延長戦にも適用されます。それゆえシメオネは、延長30分アウェイゴールのチャンスが多いため、「1試合目ホームチーム(=2試合目アウェイチーム)が有利」という意見のようです。
カメ吉の見解
ちなみに私は「2試合目ホームチーム」の方が有利だと考えています。 より結果に直結する2試合目をホームで戦えるということは、「大事な試合で主導権を握りやすい」と言えるんじゃないかと思うんですよね。 シメオネの見解については一理あると思いますが、そもそも「延長30分をホームで戦える」っていう2試合目ホームチーム側のメリットの方が大きいと思うんですよね。
集計結果
焦らすのはこの辺までにしておいて、集計結果を発表します。先に集計対象は以下の通りです。
集計対象
年度:2003~04シーズンから2018~19シーズンの全16シーズン 対象:UCLのラウンド16、準々決勝、準決勝 では、全体合計から行きましょう!
全体合計
勝ち上がり数 | 勝ち上がり率 | |
1試合目ホームチーム | 81 | 36% |
2試合目ホームチーム | 143 | 64% |
ほら、言ったとおり2試合目ホームチームが有利でしょ! …って言いたいところなんですが、1つ数字のマジックがあります。原因は「ラウンド16の組み合わせ抽選」なんですが、グループリーグの各グループ1位チームが2試合目ホームチーム、各グループ2位チームが1試合目ホームチームに割当てられて抽選されるんですね。 ややこしいでしょうから、実際の組み合わせを見てみましょう。例えば、昨年度のラウンド16の組み合わせは下の通りです。
2018-19 UCLラウンド16の組み合わせ
1試合目ホームチーム (=グループリーグ2位チーム) | 2試合目ホームチーム (=グループリーグ1位チーム) |
シャルケ | マンチェスター・シティ |
アトレティコ・マドリード | ユベントス |
マンチェスター・ユナイテッド | パリ・サンジェルマン |
トッテナム・ホットスパー | ドルトムント |
リヨン | バルセロナ |
ローマ | ポルト |
アヤックス | レアル・マドリード |
リヴァプール | バイエルン・ミュンヘン |
こう並べて見れば、「そりゃ右側の方が勝率高いだろ!」って思いますよね。(まぁ、去年はマンU、トッテナム、アヤックス、リヴァプールが勝ち上がって、左右4対4のイーブンだったんですが)
このように、ラウンド16は抽選ルールによって2試合目ホームチームに強豪が偏りやすく、勝率も高くなることが予想されるのです。参考までにラウンド16の数字のみ抽出すると以下の通りです。
ラウンド16
勝ち上がり数 | 勝ち上がり率 | |
1試合目ホームチーム | 37 | 29% |
2試合目ホームチーム | 91 | 71% |
3割対7割とかなりの偏りです。「クジ運に恵まれた中堅チームがグループを2位で通過し、ラウンド16で各グループ1位のメガクラブに粉砕される」ってパターンが毎年ありますからねぇ。
と言うことで、純粋な抽選となる準々決勝と準決勝の数値から結論を導き出しましょう!
準々決勝
勝ち上がり数 | 勝ち上がり率 | |
1試合目ホームチーム | 24 | 37.5% |
2試合目ホームチーム | 40 | 62.5% |
準決勝
準決勝 | 勝ち上がり数 | 勝ち上がり率 |
1試合目ホームチーム | 20 | 62.5% |
2試合目ホームチーム | 12 | 37.5% |
「おい、これじゃ結論でねぇよ!」って感じで、困惑の結果ですね。準々決勝と準決勝で真逆の値が出ました。 準々決勝では2試合目ホームチームが勝ち上がりやすく、準決勝では1試合目ホームチームの方が勝ち上がりやすいようです。
原因は何なのでしょうか。準決勝まで行くと、ホームでの勝ち方を知るメガクラブばかりが残りますから、「1戦目のホームでリードを築いて、2戦目アウェイはローリスク作戦(自陣引き籠りetc)で淡々と終わらせる」っていう1試合目ホームチームの必勝パターンが成立しやすいのでしょうか。
もしくは、準決勝の2試合目は決勝が後ろに控えているため、決勝進出を期待している2試合目ホーム側観客からの「敗退は許さんぞ貴様ら」というプレッシャーが強く、「負けたら無事に帰宅できるんだろうか」と心配になって2試合目ホームチームが心理的に消耗するとか……は無いですかねぇ。
まとめ
ちなみに、準々決勝と準決勝を合計すると以下の通りです。
準々決勝+準決勝
準々決勝+準決勝 | 勝ち上がり数 | 勝ち上がり率 |
1試合目ホームチーム | 44 | 46% |
2試合目ホームチーム | 52 | 54% |
一応、「2試合目ホームの方が有利」とは言えると思うのですが、準決勝のみ逆転するのが謎ですね。ELの方も調べてみると何か分かるかもしれませんので、時間があればやってみようと思います。 もし、「コレが原因だよ!」って思い当たる方がいましたら、ぜひご一報ください。
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