台風で平均的に強いのは何号か
台風19号が接近しています。メチャクチャ強いらしいですので、皆さん注意してくださいね。
さて、「台風19号がヤバイ」って聞くと、「そういや小さい頃に19号で強いのあったよね」なんて記憶が蘇ってきました。父親が段ボールでガラス引き戸に目張りしたり、門の前に土嚢積んだりしてたんですよね。
そこでふと思ったんです。「19号ってだいたい強くないか?平均的に一番強いのは何号なのだろうか?」と。
ちなみに、全く関係ないですがドラゴンボールの人造人間で一番強いのは16号らしいです。
何をもって強さとするか
台風の強さを一概に設定するのは難しいですね。雨台風とか風台風とか呼ばれているので、雨量とか最大風速ってのは不平等かもしれません。列島縦断台風と、列島をカスった台風では雨量なんて違い過ぎるハズですしね。
ということで、やっぱりド定番の最低気圧(ヘクトパスカル)で測ることにしました。台風の大きさ・風速なんかと単純に比例する指数ですしね。ちなみに、皆さんご存知でしょうが、気圧は低ければ低いほど勢力は大きいですよ。
調査してみたぞ!
まず、ランキングの算出方法や、対象のデータ範囲を説明します。
・集計対象データ:1989年1号~2019年19号まで
・平均する数値:各号数に該当する台風が記録した、最低中心気圧(中心気圧が一番低かったタイミングの数値)
・集計除外データ:30号以降の台風(30号以降は集計期間内の発生回数が5個未満となり、サンプル不足と判断した)
計算サンプル
たとえば、「19号」の平均値を求めるためには、以下のような計算をしています。
「89年の19号の最低中心気圧」+「90年の19号の最低中心気圧」+「91年の19号の最低中心気圧」+……+「19年の19号の最低中心気圧」と足していった合計を、19号の集計期間内個数(29個)で割って算出。
順位発表!
では発表します!
順位 | 号数 | 平均-最低中心気圧 | 対象台風数 |
1位 | 28号 | 940.6 | 10個 |
2位 | 27号 | 953.6 | 12個 |
3位 | 19号 | 954.2 | 29個 |
4位 | 21号 | 954.3 | 28個 |
5位 | 24号 | 955.6 | 18個 |
6位 | 25号 | 956.9 | 17個 |
7位 | 20号 | 957.4 | 28個 |
8位 | 15号 | 957.9 | 30個 |
9位 | 22号 | 958.0 | 26個 |
10位 | 18号 | 958.2 | 29個 |
11位 | 13号 | 958.8 | 31個 |
12位 | 26号 | 960.6 | 16個 |
13位 | 23号 | 961.3 | 23個 |
14位 | 14号 | 964.1 | 31個 |
15位 | 8号 | 964.3 | 31個 |
16位 | 29号 | 964.5 | 8個 |
17位 | 17号 | 964.6 | 29個 |
18位 | 11号 | 964.6 | 31個 |
19位 | 9号 | 965.0 | 31個 |
20位 | 2号 | 965.8 | 31個 |
21位 | 12号 | 966.2 | 31個 |
22位 | 16号 | 967.1 | 30個 |
23位 | 3号 | 967.7 | 31個 |
24位 | 7号 | 967.8 | 31個 |
25位 | 10号 | 968.2 | 31個 |
26位 | 5号 | 969.2 | 31個 |
27位 | 6号 | 969.2 | 31個 |
28位 | 4号 | 971.4 | 31個 |
29位 | 1号 | 977.6 | 31個 |
やっぱり後半のが強いんだなぁ…って結果になりましたね。
1位は「28号」で平均940.6ヘクトパスカルです。28号で有名なのは、1990年の28号ですね。同年11月末に和歌山県白浜付近に上陸しており、現在の所、「観測史上最も遅い時期(1年の中の後半という意味)にやってきた台風」だそうです。
2位は「27号」で平均953.6ヘクトパスカルですね。2017年の27号はフィリピンで大きな被害を起こしています。日本に被害が出たものでは2015年の27号ですな。上陸はしていませんが、大雨や強風で多くの被害が出ています。
そして3位が「19号」でした。平均954.2ヘクトパスカルです。やはり19号が強いというのはあながち間違いではなかったんですな。19号で被害が大きかったのは、1990年と1991年の19号です。91年の方は、収穫前のリンゴが木から落ちてしまって売り物にならないというニュースが大きく報道されたため、「リンゴ台風」なんて呼ばれています。
逆に最下位は「1号」です。4月頃、「台風できるかできないか」って言う時期にポロっと出現する「できちゃった台風」なわけですから、必然的に弱いんでしょうね。
台風が秋に強くなる理由
結果をグラフにまとめてみたのが下記です。巷で「秋の方が台風が強い」などと言われていますが、実際その通りで後半の号の方が明らかに気圧が低いです。
台風は多くの水蒸気を得ることによって勢力が強化されます。水蒸気は当然海水温によって左右されますので、北半球で海水温が最高温度になりやすい9月頃が発生のピークであり、その時期は台風が拡大しやすいのです。
また、真夏は太平洋高気圧が強いため、台風が高気圧に邪魔されて中々北上できない中で徐々に消耗していくため、日本に着くころには弱くなっているということもあると思います。逆に秋は高気圧が東に退くので、弱体化する前に日本列島にストレートインしてくるんですな。
19号は統計的に強い!要注意!
19号はやはり統計的に強いと証明されました(たまたまでしょうけどね!)。
この後(執筆時は未上陸)徐々に被害が出そうなので、みなさんお気をつけください!私は甲羅に身を隠しております。
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