(旧版)意識高い系諸葛亮-2-2

2019年10月20日

キャラ紹介とか用語説明は長くなりそうなんで、設定置き場を別ページで作りました。ちょっと経済ノベル化してるので、詳しく理解したい人や興味のある人は見てね!

※会話オンリー方式に限界を感じたため、リライトしました。リライト版はココをクリック

前回のあらすじ

CGデザイナーで意識高い系ニート諸葛亮は、自己顕示欲を満たすために劉備に取り入ることを決意。自分を高く売るために策動を始めた。まず、曹魏カンパニーの買収先になりそうな『Kマート新野』の株を売るように蔡瑁にけしかる。同時に曹魏カンパニー側からの仕掛けを誘発するために、曹仁とも接触した。

徐庶曰く「ゴールデンパラシュートで防衛しましょう」

蔡瑁と曹仁に対する仕込みが終わった。この辺りで劉備とも接触しておきたいと考えていた諸葛亮は、徐庶に劉備への『営業』を指示した。徐庶は司馬徽の推薦状(司馬徽からいいねを貰ったコメントのスクショ×200枚)PDFをDMに添付して劉備に送り、アポイントをとって面会にこぎつけることができた。

面会場所と指示された劉備の事務所はKマート新野庁舎前店の2階にあった。徐庶がそこを尋ねると、劉備と、彼と義兄弟の契りを交わした関羽(かんう)、張飛(ちょうひ)が在室していた。

張飛「名刺ありがとうございます。SHJ国家戦略研究所の徐庶さんですね」

徐庶「ええ、初めまして。徐庶と申します」

劉備「聞いたことのねぇ研究所だな」

張飛「兄者!失礼だろ!初対面なんだからもう少し礼儀ってものをだな……」

劉備「おっと、失敬!」

徐庶「あはは、いえいえ仰る通りですね。立ち上げたばかりですからね」

張飛「SHJは何かの略なんですか?」

徐庶「ええっと、我々が大事にしているSpeed(速さ)、Honest(実直)、Jingi(仁義)の頭文字です」

劉備「カッコイイじゃん!」

徐庶「ありがとうございます!」

張飛「ところで、司馬徽先生から推薦されたので、正直もっと痩せた方が来ると思っていたんですが、徐庶さん結構筋肉質ですね。何かスポーツでも?」

徐庶「撃剣っていうマイナー競技をやっております。短剣を使った護身術みたいな」

劉備「地味だなぁ。何が楽しいのそれ?」

張飛「兄者!言葉選んで!」

劉備「失敬!」

関羽「……(ヘッドホンを耳にあててロック音楽に聴き入っている)」

徐庶「……さて、本題に入らせてください。DMでも軽く触れましたが、まずお知らせしたいのは曹魏カンパニーが御社『Kマート新野』をTOBしようと企てていることです」

張飛「えーと、疑って悪いんですが、それは本当なんですかね?」

徐庶「どこまで本格的に動くかというと、まだ確実とは言えません。しかし、荊州エリアの営業拡大を担当している曹仁が、御社の株主名簿を入手したところまでは確証があります。また、地場の小株主さんの1部とは既に接触もしています」

劉備「マジかよ!やべーじゃん!」

徐庶「Kマートさんの子会社は、株を細かく分けて地場の資産家や実業家に広く保有して貰うことが多いようなので、買収する側からすると『攻めやすい』と映るのかもしれませんね」

劉備「元が糞他人にすぎねぇから、ニンジンぶら下げられちゃ忠義もへったくれもないと?」

徐庶「クソって……、まぁ概ねその通りです。子会社の自立性を高めて地域密着にしたのは良いのですが、その反面統制も効かなくなるということです」

張飛「しかし、そうだとして何か対抗策はあるんですか?正直なところ、曹魏カンパニーが本気でTOBをかけてきたら、ひとたまりも無いですよ。なんたって資産額が桁違いですから」

劉備「はぁ!?曹魏に株を売る奴等なんぞ、片っ端からぶっ殺してしまえばいいじゃん!敵を守る民間人なんてそれはもう敵だろ!」

張飛「兄者!心の声を閉まって!今来客中でしょ!」

劉備「スマン!」

徐庶「ああ、それほど気にならない性質なのでお気になさらず……。むしろホンネが聞けてありがたいですし」

劉備「いいねえ!話分かる人は好きよ」

張飛「はぁ……」

関羽「……(音楽がサビに差し掛かったのか頭を振ってリズムをとっている)」

張飛「で、なにか防衛策はあるのですか?」

徐庶「あります。その名は『ゴールデンパラシュート』です」

劉備「金曜ロー〇ショーの映画タイトルでありそうな名前だな!」

徐庶「確かに。コメディ青春モノでありそうですね。金ぴかパラシュートで惚れている女の家に向かってダイブみたいな」

劉備「その場合、やっぱ女が住んでるのはタワマン最上階なのかな!?」

徐庶「いいですね。画面映えしそうですね!」

張飛「きみたち、話を進めようという意欲はあるのかね?」

劉備・徐庶「すいません」

張飛「はぁ……。で、具体的にはどのような策で?」

徐庶「みなさんがもし曹魏カンパニーの人間で、『Kマート新野』を買収できたとしましょう。その場合、現職の『Kマート新野』の重役陣はどう扱います?」

劉備「そんなもん、クビだろ」

徐庶「そうなりますよね。では、経営陣をクビにする場合に、メチャクチャ高額な解除金が設定されていたらどうします?」

劉備「金額による。利益でカバーできる額なら構わないからな」

徐庶「そうですね。資料によると劉備さんが社長になってからの年間売上は70億銭くらいで、利益は14億という驚くべき数字ですから、解除金は100億くらいにしましょうか」

劉備「俺が曹仁なら退却だぁな。さすがに赤字がデカすぎる」

徐庶「そうやって買収側の意欲を削ぐのがゴールデンパラシュートです。経営陣を崖から突き落とすかわりに金製のパラシュートを与える約束を仕込んでおくことで、『買収したあとでさらにカネがかかる』と思わせて買収にブレーキをかけるんです」

劉備「それ採用!」

張飛「ちょっと待って!そんなこっちに都合のいい話、ウチの一存じゃ決められませんよね」

徐庶「その通りです。株主総会の決議が必要です」

張飛「そもそも、本体の劉表社長以下、他の株主にとっても何のメリットもないじゃないですか。通るわけないですよ」

徐庶「ええ。確かに」

張飛「じゃあ、絵にかいた餅じゃないですか!」

徐庶「ですから、本日私は『その餅を絵から取り出す方法』を売りに来たのです」

劉備「いいじゃん!買った!」

張飛「おい!金額聞いてからにしろクソ兄……」

その時、関羽のスマホのバイブレーションが鳴った

関羽「ム……、兄者!曹仁のトゥイートを見てくだされ!」

劉備「ああ?また飲み友達の自慢写メか?……って蔡瑁じゃねぇかこれ!」

徐庶「え?」

劉備がスマホを徐庶に見せる。

徐庶「あ、確かに蔡瑁さんですねこれ。直で行っちゃったのかな」

張飛「ちょく?」

徐庶「あいや、こっちの話です」

劉備「おいおい、タイミング良すぎるだろ。なんかの仕込みこれ?」

徐庶「さすがにそこまで有能ではないですよ……」

劉備「うーむ。徐庶さん、この後なにか予定ある?」

徐庶「いえ、とくにないですよ。飲みに行くならお供しますよ」

劉備「いや、今から劉表社長に会いに行くから同行して。コンサル料はあとで言い値で払う」

徐庶「は!?」

劉備「こういうのはスピードが命。そっちの研究所の理念の1つだろ」

徐庶「あ、えーと、確かに……」

劉備「よし、馬車を用意しろ!」


馬車に乗せられた徐庶は自身のスマホを取り出した。諸葛亮からのLI〇Eが届いていた。

諸葛亮「フラッシュニュース!蔡瑁が曹仁にダイレクト面会!」

徐庶「確認した。劉備さんヒートアップしてこれから劉表社長に直訴モード。HELP」

諸葛亮「え?連行されてる?」

徐庶「YES」

諸葛亮「GJ!あとは任せた!」

徐庶「おいいい」

徐庶「あ、あと」

徐庶「SHJはSpeed,Honest,Jingiの略ってことにした」

諸葛亮「Jingiだけ無理矢理で草生える」

~続く~

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