今さら『ソードアート・オンライン(3期前編)』を全話見た感想
今さらソードアート・オンライン(略称SAO)の3期前編(アリシゼーション1~24話)を全話再視聴して、感想レビュー書きました!
※1期のレビューはこちら⇒「今さら『ソードアート・オンライン(1期)』を全話見た感想」
※2期のレビューはこちら⇒「今さら『ソードアート・オンライン(2期)』を全話見た感想」
以下は2020年4月28日時点の情報です。最新情報は各リンク先サイトにてご確認ください
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※本記事はネタバレがあります。気になる方は作品本編をチェックしてから再度アクセスしてくださいネ!
『ソードアート・オンライン(3期前編)』ってどんな作品?
原作情報と作品ジャンル
原作情報やジャンルの基本的な事項については、前記事「今さら『ソードアート・オンライン(1期)』を全話見た感想 」に書きましたので、そちらをご参照ください!
アニメ3期は、小説9~14巻をアニメ化したものです(下画像は9巻表紙)。小説に興味のある方はこちらからどうぞ。
ジャンル面も大きな流れではファンタジーSFで変わりありません。3期は「人工知能-AI」がテーマです。
あらすじ
本編視聴済みの方にとっては、今さらな内容なので読み飛ばしてください。
※本名&CVを1期レビュー、2期レビューで紹介済みのキャラに関しては略します!
3期の世界観と新キャラ
3期は「アンダーワールド」というVR空間が舞台です。今まで劇中VRゲームと違い、アンダーワールドは一般開放されたゲームではありません。高度AI開発の一環で、自衛隊が製作した閉鎖的な仮想空間です。
もう1つ、重要な設定が登場します。それが「フラクトライト」です。フラクトライトとは“人間の魂そのもの"とされる光量子で、3期ではフラクトライトの保存・活用技術が確立されています。
新メインキャラはユージオ(CV/島崎信長)とアリス(CV/茅野愛衣)の2人です。この2人はアンダーワールドの仮想空間内で生まれたAIでありながら、上記のフラクトライトを保有しています。「リアルの肉体は持たないが、魂は存在していてアンダーワールドに接続している」という状態ですね。
前日譚(1話)
キリト、ユージオ、アリスはルーリッド村に暮らす仲良し少年少女でした。

ある日3人で遊んでいる際に、誤ってアリスが禁忌目録という公理教会の決まり事を破り、侵入禁止エリアに入ってしまいます。
翌日、その違反がバレてアリスは整合騎士という公理教会の騎士に捕らえれて連行…、というところでキリトはログアウトします。
1話ではそこから現実世界の日常シーンがあった後、キリトが襲撃を受けて脳にダメージを負います。
本編前半(2話~10話)
昏睡状態となったキリトは、治療の一環で再度アンダーワールドにログインさせられます。
ログイン後、キリトは青年になったユージオと合流し、教会に連れ去られたアリスを連れ戻そうとルーリッド村を出て、修剣学院という剣士の学校に入学。
学院生活が1年ちょっと経過した時、同級生のライオス&ウンベールが、キリトとユージオの傍付き(後輩)であるロニエとティーゼに暴行を加える事件が発生します。キリトとユージオが制止するために、ライオスらに傷を負わせたことから、2人は公理教会に連行されることとなります。
そして、いざ連行となった時、彼らの目の前に現れたのが、18歳になったアリスでした。
本編後半(11話~24話)
公理教会本部のセントラル・カセドラルに連行されたキリトとユージオは、これ幸いとばかりに脱走し、アリスの奪還を目指して行動を開始。
ゲームのバグ修復プログラムがAIキャラクターとなったカーディナル(CV/丹下桜)などの協力を受けながら、セントラル・カセドラル内の防衛にあたっている整合騎士達を撃破してアリスと遭遇。
アリスは記憶を封印されており、キリトとユージオのことを忘れているものの、休戦&和解は成立。3人は手を組んで、公理教会のトップであるアドミニストレーター(CV/坂本真綾)と対峙します。

最終的にはカーディナルやユージオという犠牲を払いつつも、アドミニストレーターを撃破。
そのアドミニストレーターが使っていた管理コンソールを使って、仮想空間外の運営側(自衛隊)の人間にキリトが呼びかけるも、通話先はリアル戦闘の鉄火場。その戦闘の影響でキリトのログイン用マシンに高電圧が発生し、キリトが脳にさらなるダメージを負ってしまう…。というところで3期前編は終了です。
感想・総評など
全体的にキャラは立っている
3期において、キリトがゲーム内で知り合う相手は「自分は人間だと考えている、魂を持ったAI」ですので、多種多様な価値観のキャラが登場してきました。自分の色を持っているキャラが多かったように思います。
好印象だった味方側の新キャラ
SAO初の同性相棒であるユージオは過去のトラウマや、スーパーヒーロー化しつつあるキリトへの友情と憧れと嫉妬の入り混じった感覚が上手く描かれていました。TVシリーズでは初めてキリトに「追いつこう」としたキャラで、親近感の湧くキャラクターでしたね。
アリスは、洗脳&記憶消去を施されながらも、柔軟&論理的に思考するところや、意志の強さが一貫していて、カワイイというかカッコイイ女でした。
そして、忘れてはいけないのがカーディナルです。「献身的で自己犠牲精神にあふれた幼女」でありつつ、不器用に「人の温かみ」を欲するという、保護欲をこれでもかと掻き立てるカワイイ子でした。そんな幼女キャラに丹下桜さんを起用したものだから、破壊力は抜群です。3期前編のダントツ一押しキャラですね。

敵キャラの胸糞悪さも加速
キャラの価値観が多様化され、個々の持つエゴが強調されたため、「敵キャラの胸糞悪さ度合」も大幅に高まりました。大ボスのアドミニストレーターと、その配下チュデルキン(CV/高木渉)あたりが典型です。
アドミニストレーターは滅茶苦茶強そうな雰囲気が出ていました。今までで1番「キリトが勝てるのか?」とハラハラさせられるボスキャラでしたね。
チュデルキンは「露悪&俗物」要素大盛で、「倒されると視聴者全員がスカッとするキャラ」だったと思います。
より好き嫌いの分かれる作品へ
胸糞悪い敵キャラ登場に加え、如実に貴族階級なんかが存在する世界を描いた3期では、ある種の「気持ちの悪いセリフ・描写」が増加しました。
10話のロニエ・ティーゼに対する暴行シーンはいまだに議論の的となっていますし、チュデルキンのセリフやモーションなどは分かり易く「肉欲全開」です。
戦闘シーンも1,2期に比べて流血描写が多く、生々しくなりました。今までは体を切られても、光のポリゴンエフェクトが飛び散るだけでしたが、3期は「グチャ」っという効果音とともに体が千切れるような演出が多くなりましたね。
こういう演出は、好き嫌いが分かれるところだと思います。戦記モノや、リアリティ重視の歴史モノが好きな人は「人間の醜さ&臨場感があってGood」と感じるかもしれません。
逆に、SAOシリーズを純粋な少年バトル漫画の延長線上に置いている人は、強い嫌悪感を抱いてしまうかもしれませんね。
また、後述するAIの人権問題なども、人によって興味の有無に格差がありそうです。1,2期に比べると、熱中できる人とそうでない人がより明確に分かれる作品になったのではないかと思いますね。
AIの人権を社会に問う
カメ吉が3期の面白いなぁと思う点は、AIの人権問題を投げかけてきたところです。
・アリスという"清廉な美女"
・魂の根源であるフラクトライトを持つ
・軍事目的に転用可能
上記した3点の特性を満たすAIが完成した時、「AIの人権を認めるのか?」と視聴者に投げかけるのは凄く興味深い。
なので、「3期の名セリフを1つ選べ」と言われると、カメ吉はこの問題の議論シーン、6話で菊岡が口にした「僕にとって10万の人工知能の命は、1人の自衛官の命より軽い」というセリフを挙げます。
このセリフは震えましたね。「これを言わせるために、森川智之さんを菊岡に起用したな」って感じです。
前期OP曲 LISA「ADAMAS」がイイ
1期2期のレビューでは劇中BGMに焦点をあててきましたが、3期はOP・EDソングが秀逸だった印象ですね。
1曲オススメを挙げるとすると1~13話OPソング、LISAの「ADAMAS」ですね。アップテンポで、かなりハードなロックソングです。
アニメOPソングとしては、ベースやエレキの主張がかなり強い曲です。「そんじょそこらの歌い手クラス」だと、ボーカルがバックサウンドに埋もれかねない楽曲ですね。負けずに歌っているLISAの凄さが際立っています。
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ちなみに、CD版とテレビOP版でアレンジが違います。とくにイントロが顕著で、OPで夕日に向かってアリス、ユージオ、キリトが走っている箇所の編曲は別物クラスです。
テレビOP版が音源が欲しい方は、「ADAMAS/赤い罠(who loves it?)期間生産限定アニメ盤」を間違えずに購入してください。※以下の画像クリックから、該当商品のAmazonページにジャンプします。
評価まとめ!
映像の美しさ | ★★★★ | エフェクトが美麗 |
音楽 | ★★★★ | サントラを買いましょう |
ストーリー展開 | ★★★★★ ※注 | 血沸き肉躍る展開 ※好き嫌いは分かれる |
キャラクター | ★★★★★ | カーディナルがカワイイ |
オススメする? | オススメ | エログロ拒否! という人以外にはオススメ |
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「1,2期は好きだったのだけれど、3期はちょっと生理的に…」という人もいるのが3期の特徴ですね。ただ、対AIとは言え魂を賭けた熱い戦いなので、シンプルに盛り上がれるのが3期とも言えますね。
未視聴だけれど「グロ耐性に自信がない」という方は、先に4話前半のバトルだけ見てみるのもアリかもしれません。そこの痛みとか血の表現が大丈夫であれば、戦闘描写の方は概ね大丈夫なハズです!
蛇足:ALICEという略称
以下は蛇足内容です。
6話で、菊岡たちの目指すAIを説明する「ALICE」という略称も出てきました。これを見た時、カメ吉はニヤリとしましたね。ガンダム作品「ガンダム・センチネル」にも操作補助用のAIで「ALICE」という装置が登場するので、「名前が被っているぞ」と思ったのです。
ちなみに、両者の略称は以下の通りです。
・SAO3期のALICE
⇒Artificial Labile Intelligent Cybernated Existence(人工高適応型知的自立存在)
・ガンダム・センチネルのALICE
⇒Advenced Logistic & Inconsequence Cognizing Equipment(発展型論理・非論理認識装置)
以上、蛇足でした。
【最新期情報】2020年4月期に放送予定だったSAOアリシゼーション最終章(3期2部後編)は放送延期となりました。今のところ2020年7月期に放送予定となっています。
※本記事は2020年4月28日時点の情報に基づいて作成しております。最新情報はリンク先の各サイトにてご確認ください
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コメント一覧
僕もアリシゼーションはものすごく好きです!私はアリシゼーション計画の話で感動しました!!ボトムアップ型AIを極めてリアルな仮想世界、アンダーワールドで生活させ、文明シュミレーションをさせる実験という発想に血が騒まくりました!!
一方でそのことを知らないユージオと勘づいているキリトが繰り広げるアリスをかけた物語も素晴らしい。アンダーワールドで何も知らない人工フラクトライトが『システムコール』と唱えるのは興奮してしまいます。ネットではアリシゼーション面白くない。というやからがたくさんいますが、貴方がそうで無い事を知って大変喜んでます。なぜなら私たちみたいな人間が少ないからです。学校でも家族でもいませんでした。もっとこの興奮を分かち合いましょう。
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