『サイコパス3』を1話から劇場版まで見た感想

2020年4月27日

2019年秋に1~8話がオンエアされ、この3月27日から完結編となる劇場版『FIRST INSPECTOR』が公開された『サイコパス3』の感想レビューです。

以下は2020年4月15日時点の情報です。最新情報は各リンク先サイトにてご確認ください

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ちなみに、本記事はあくまで、総評・感想をメインに書きました。考察とか設定の簡易まとめなどは、別途まとめる予定です。

本記事はネタバレ度が高いです。気になる方は作品本編をチェックしてから再度アクセスしてくださいネ!

『サイコパス3』ってどんな作品?

作品の概要については、別記事『サイコパス3期1話を見た感想』にまとめています。そちらをご参照ください!

総評

アクションと音楽は満足

サイコパスシリーズのウリの1つであるアクションシーンは今作も良かったです。

とくに新主人公、慎導灼(しんどう・あらた)のパルクールシーンは軽快感があって、新鮮でしたね。

音楽も素晴らしいです。見ている私の心拍が、劇中BGMに引っ張られていく感じで大満足でした。

音楽担当はシリーズ前作と同じく、菅野祐悟さんですね。大河ドラマ『軍師官兵衛』とか、近年のアニメ版『ジョジョシリーズ』の音楽を手掛けている方です。

菅野さんは、4月開始の『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』の音楽も担当されているそうですので、要チェックですね。

ちなみにサイコパス1期のオリジナルサウンドトラックは強くオススメです。

カメ吉はDISC1-1曲目の『PSYCHO-PASS』と、DISC2-9曲目の『楽園』をよく聞いています。(画像の商品リンク先で試聴可能です!)

ストーリーやキャラクターには不満有り

理由は後述しますが、ストーリーやキャラクターに関しては不満が残りました。

決して「クソアニメだ!」とは言いませんし、冷静に評価すれば見る価値アリの作品です。

ただ、シリーズファンの期待を裏切ったのも間違いないと思います。少なくとも私はそう感じました。

不満点:カタルシスが無い

3期の不満は、キャラ達が何を考えているのか不明な点が多く、カタルシスが全くなかったことです。

簡単に言っちゃえば「モヤモヤが晴れないよ!」っていうことです。「なるほど!面白い!」っていう感覚より、「なんでだ??」という疑問感ばかり残って消化不良でした。

最後にポンコツ化した梓澤廣一

3期のメイン敵キャラである梓澤廣一は、今回の劇場版で「俺はシビュラの一員になりたかったんだ」と言い出しました。

別にそういう目的で動くのはいいんです。そういう敵キャラが居てもいいでしょう。

ただ、その目的を納得させるためのキャラの深堀が無さすぎて、「なんでそう思ったの?」って点が不明瞭です。

加えて、ここまで策士キャラで通してきた梓澤でしたが、シビュラに加えてもらうという点では、「俺を仲間に入れてくれー」と頼み込むだけでした。完全な無策です。

「シビュラの一員になりたいのに、何でそこに策らしい策が1つも無いのだ…」と感じましたね。

過去も価値観も不明な法斑静火

コングレスマンの1人である法斑静火は、「たぶん味方キャラなんだろうな」という予感はありました。劇場版で彼が「ビフロストを壊したかった」と語ったのも"違和感"は無かったです。

されど、こちらについても“納得感"は皆無です。「なんでそう思ったか?」を説明できる情報が少なすぎです。

「こういう過去や思いがあって、ビフロストを内側から破壊しようとしたのだな!」っていうカタルシスが起きないんです。

そして、最後に彼は常守朱の解放を要求しました。常守朱は私も大好きです。だから「いいじゃん!」とは思います。でも、それよりも「なんで? キミは何がしたいの? そもそも常守と知り合い?」って疑問が強くて消化不良でした。

シビュラシステムの信頼感低下

シビュラシステムの圧倒的存在感って、このシリーズの魅力だと思うんです。ただ、3期ではシビュラシステムがかなりポンコツ化してしまって、その魅力が損なわれた感じなんですよね。

とくに、今期の敵組織であったビフロストに対してシビュラシステムは非常に無力でした。

ビフロストは組織犯罪の元締めで、明らかに『集合的サイコパス』に引っ掛かりそうな集団・組織です。それなのに、構成員にドミネーターを向けても係数100を超えません。

そんなシーンが何度も繰り返されますが、シビュラさんは飽きもせずに100点未満ばかり提示します。学習もしなければ働きもしない。まさにシビュラのNEET化です。

劇場版でそのメカニズムに関しては、一応説明できそうな情報が出ました。ビフロストの保有するラウンドロビンシステムがシビュラの監視・デバッグ・修復システムであるため、色々とシビュラの盲点を知っていたということでした。

ただ、シビュラにそんな盲点が一杯あったあら、あそこまで社会的権威を持ちえないと思うんです。「シビュラの犯罪係数判定に介入できる上位システム」ということにすれば、納得はできたかもしれませんが、それもまた興ざめ感があります。

原因は「敵の設定がアニメ・小説向きじゃなかった」

こうなった原因は、おそらく3期の敵であるビフロストの特性によると思います。

統一された意志を持たぬビフロスト

1期の槙島聖護、2期の鹿矛囲桐斗と比較すると、3期のビフロストには明確な意思を持って組織の行動を司る存在がいません。

上層幹部のコングレスマンはマネーゲームに興じてるだけですし、ラウンドロビンシステムもシビュラのデバッグをしているに過ぎません。中間管理職のインスペクターたちの意図もバラバラです。末端構成員に至っては、「犯罪に参加している」という意識自体が希薄だったりします。

ビフロストとは何者かと推理してただけ感

こんな思考回路がカオスな敵組織の正体を解き明かそうとするのですから、当然ストーリーは雲を掴むような話になります。被疑者をいくら確保しても、言ってることがバラバラなので、表面的には意味不明なのです。

その結果、視聴者が推理できるように、情報を提示&整理することばかりに尺を奪われてしまい、キャラクター達がどんな過去で、どんな価値観で、どんな思いで行動しているのかは放置傾向でした。

その辺が分からないので、劇場版で色々と伏線を回収しても、新たな不明点が生まれるばかりです。根っこのところで、「なぜ、今こんな行動をしているか」が不明なのに、直近の行動についてだけ説明されても不明瞭感は消えないですし、爽快感なんて生まれません。

パッと思いつく限りで、以下の不明点が持ち越しです。

  • 慎導灼の父死亡事件の詳細
  • 壬生前局長殺害事件と常守朱の関係
  • 常守朱の拘留原因
  • 法斑静火がビフロストを破壊した理由
  • 法斑静火と常守朱の関係
  • 慎導灼&イグナトフと常守朱の関係
  • シビュラはラウンドロビンの存在を認識していたのか

広げた風呂敷を畳まずに、「続編待ってね!」となったのは残念です。

評価まとめ!

映像の美しさ★★★★アクションシーンはスゴイ
CGもキレイ
音楽★★★★★良い意味で言うこと無し
ストーリー展開★★★期待に応えてくれた感はない
一般的なアニメレベルで言えば普通
キャラクター★★★内面をもっと描いてくれないと、
好きにも嫌いにもなれない感じ
オススメする?悩むシリーズファンなら見ても「時間の無駄」ではない
シリーズファン以外なら2期で一旦止めることを推奨

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色々と疑問を残した状態で、「お預け」を喰らった感じです。雰囲気やBGMは相変わらず魅力的なのですが、どうにも展開が好きになれませんでしたね…。

でも、4期があれば、当然見ますよ!

※本記事は2020年4月15日時点の情報に基づいて作成しております。最新情報はリンク先の各サイトにてご確認ください

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