久保、乾所属のラ・リーガ外国人枠を解説!
久保建英のレアル帰還と絡めて語られることの多い、ラ・リーガ(スペイン1部)の外国人枠について、解説します。
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何人まで外国人選手が登録できるか
ラ・リーガのチームは、試合に出したい選手のリストをリーガ運営側に提出する必要があります。俗に言う選手登録です。この選手登録において色々と規定があり、その中に外国人枠規定も含まれます。
ラ・リーガ選手登録規定
●1チームに登録可能な人数は25人まで
●25人中、フィールドプレイヤーは23人まで(※キーパー2人以上必須)
●外国人選手は3人まで登録可能
大事な規定は上記3つです。3点目の記載通り、ラ・リーガ1部の外国人枠は1チーム3人です。ただし、この『外国人』の定義に抜け道が多い点がややこしさを生んでいるのです。この抜け道を次に説明します。
『外国人』の抜け道
抜け道1:EU・EFTA

スペインはEU(ヨーロッパ連合)に加盟しています。EUでは「EU内の他国家から来ている労働者を差別するな」という思想があります。
ラ・リーガもこの思想に則って、EU28ヶ国+EFTA(欧州自由貿易連合4ヶ国)の国籍保有者に関しては、国内選手扱いとなります。(※イギリスがEU離脱したため、来期からはEU27ヶ国となります)
<EU加盟国>
- アイルランド
- イギリス(※2020年1月末で離脱)
- イタリア
- エストニア
- オーストリア
- オランダ
- キプロス
- ギリシャ
- クロアチア
- スウェーデン
- スペイン
- スロバキア
- スロベニア
- チェコ
- デンマーク
- ドイツ
- ハンガリー
- フィンランド
- フランス
- ブルガリア
- ベルギー
- ポーランド
- ポルトガル
- マルタ
- ラトビア
- リトアニア
- ルーマニア
- ルクセンブルク
<EFTA加盟国>
- アイスランド
- スイス
- ノルウェー
- リヒテンシュタイン
例えば、レアルマドリードであれば、ベンゼマ(フランス)、モドリッチ(クロアチア)、クロース(ドイツ)、バルセロナだと、グリエーズマン(フランス)、シュテーゲン(ドイツ)、デ・ヨング(オランダ)等が当てはまりますね。
抜け道2:コトヌー協定
スペインは「アフリカ・カリブ海・太平洋諸国の経済発展を促そう」という目的のコトヌー協定に加盟しています。
ラ・リーガもこの協定に協力姿勢をとっており、コトヌー協定の対象となるアフリカ・カリブ海・太平洋諸国の選手は国内選手扱いとなります。俗な言い方をしてしまえば、「途上国からの出稼ぎ労働者に門戸を開いています」という政治的アピールです。
ちなみに、コトヌー協定の『アフリカ・カリブ海・太平洋諸国』に該当する国は約80ヶ国くらいあります(詳しくはwikiでどうぞ)
レアルだと…、該当選手がいませんね。有名どころでは、アトレティコのトーマス・パルティ(ガーナ)などがコトヌー協定による国内選手扱いとなっています。
抜け道3:諸々の国際事情から例外扱いとなる国
諸々の国際関係的な事情から、一部の、東欧諸国、北アフリカ諸国、トルコ民族系国家の国籍保有者も国内選手扱いとなります。具体的には以下の通り。
・東欧諸国
アルバニア、アルメニア、ウクライナ、ジョージア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、マケドニア、モルドバ、モンテネグロ、ロシア
・北アフリカ
モロッコ、チュニジア、アルジェリア
・トルコ民族系国家
アゼルバイジャン、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタン、トルクメニスタン、トルコ
レアルだと、ヨビッチ(セルビア)が該当しますね。バルサだと、ほぼ出場していないですがアルダ・トゥラン(トルコ)なんかが該当。
多重国籍というもう1つの道
上記した抜け道1~3と、セットでややこしくなっているのが「多重国籍」です。
「生まれはスペインでも、上記した例外国でもないけれど、第2国籍としてスペインとか国内扱い国の国籍を持っている」というパターンですね。
メッシが典型例の1人です。メッシはアルゼンチン人ですが、幼少期からバルセロナユースに所属し、18歳時点で第2国籍としてスペイン国籍を取得しています。よって、彼は外国人枠にカウントされません。
同じくバルセロナのスアレスは、EU加盟国であるイタリア国籍を第2国籍に持っているため、彼も外国人枠にはカウントされません。
ちなみにスアレスのイタリア国籍は、妻のソフィアさんとの結婚によって付与されています。イタリアは「イタリア国籍保持者の配偶者にも国籍(市民権)を与える」というルールの国家なので、イタリア国籍を持つソフィアさんの、配偶者であるスアレスにイタリア国籍が付与されるのです。
久保建英が25人枠に入り易くなるには…
最後に、久保建英がレアルマドリードに帰還し、25人枠に入り易くなるための方法について検討してみましょう。他国籍をゲットする以下の3つの方法が考えられます。
- スペイン居住を続けてスペイン国籍GET
- 国際結婚により副産物的に例外国の国籍GET
- その他、法の網を掻い潜って例外国の国籍をGET
1点目は分かり易いですね。「このままスペインに居住し続けてスペイン国籍GET」するという方法です。これには通算10年居住の実績が必要で、久保のバルセロナユース在籍時代もカウントすると、あと5年位でゲットできると思われます。
ちなみに、スペイン国籍取得までの必要居住期間は出身国によって違います。ブラジル人などは2年でOKですが、日本人だと10年必要です。(スペインの旧植民地国等が優遇されている模様)
「ブラジル人のヴィニシウスがスペイン国籍を取得する予定!」と言われるのも、彼は2018夏にフラメンゴからレアルに加入しており、今夏に居住実績2年となる予定だからですね。
2点目はスアレス方式ですね。将来久保が結婚する相手がイタリア国籍を持っていた場合などは「国際結婚によって副産物的に例外国の国籍GET」というパターンもありえます。
3点目は、「その他、法の網を掻い潜るような方法で例外国の国籍をGET」するというパターンですね。世界には「カネを積めば国籍を得れる」みたいなところもありますから、そういった国を探せば可能性はあるるかもしれません。
日本国は多重国籍を認めていない
しかし、大問題があります。それは、日本国は多重国籍を認めていないということです。日本人が他国籍を得るには、基本的に日本国籍放棄が必要なのです。
上記した方式は全て他国籍を得ることになりますから、もし久保が上記策を実行した場合は日本人では無くなってしまうという問題が発生します。
なので、一ファンとしては実力で外国人3人枠に入ることを切に願います。
まとめ
ラ・リーガの外国人枠は3人です。ただし、EU+EFTA加盟国や、スペインと国交の深い一部国家の国籍保持者は国内選手扱いとなります。
蛇足:ブレグジット(イギリスEU離脱)
蛇足ですが、気になるのはイギリスのEU離脱ですね。レアルのベイル(イギリス・ウェールズ代表)、アトレティコのトリッピアー(イギリス・イングランド代表)あたりが来シーズンはEU圏外扱いとなるので、外国人枠を消費してしまいます。クラブ側は悩ましいでしょうね。
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