スタッツから見た久保建英(1~10節)

2020年3月19日

今期マジョルカの試合は毎試合見ているんですが、チームも久保選手も中々結果が出ずにやきもきしますよね。(マジョルカは降格候補でしたし、チームは頑張っていると言えるかも?) 今回はそんな久保選手をスタッツ面から見てみようという試みです。ちなみに、データはwhoscored.comから拝借しています。 ※1~10節で1番良かったと思う試合の映像はこちら


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比較対象はこの6名!

久保選手のスタッツだけ見ても評価が難しいので、似た境遇にありそうな選手を比較用にリストアップしました。 上位チームの選手とは置かれた状況が違いすぎるので、「10節時点での下位チーム」で、「4-4-2の右サイドハーフ、あるいは4-3-3の右ウイングフォワードを主戦場としている」ってなとこを条件に以下の5+1名(+アルファの1名は何かと比較されることの多いイ・ガンイン)をリストアップしました。

名前 所属 先発
出場
途中
出場
出場
時間
平均
評価
ゴール アシスト
久保建英 マヨルカ 2 6 384 6.48 0 1
アレイシ・ビダル アラベス 8 2 722 6.67 0 2
ルベン・ロチーナ レバンテ 5 3 439 6.67 0 0
ファビアン・オレジャーナ エイバル 10 0 856 6.88 3 2
ホアキン・サンチェス ベティス 7 3 570 6.72 1 2
ブライス・メンデス セルタ 6 4 545 6.43 0 0
イ・ガンイン バレンシア 1 4 146 6.11 1 0

対象はリーガ公式戦1~10節のみで、カップ戦やUCLは含んでいません。平均評価whoscored.comが算出している評価値そのままで、スタッツから機械的に算出されているとのことです。イ・ガンインはこの前のアトレチコ戦の、途中出場後14分で一発レッドで評価点を大きく落としていますね。 上記7名はフィジカル的なスピードでサイドをぶち抜くタイプではなく、プレースタイルも似通っていて、比較対象としてはちょうど良いと言えるでしょう。

蛇足ですが、私は乾目当てにエイバルの試合もよく見るので、「オレジャーナいい選手だなぁ」って感じていたんですが、評価も高くて納得しましたね。ちなみに、オレジャーナは4年前、ブスケッツに向かって芝を投げて一発レッドを食らった迷ピッチャー?です。(※参考動画はココ。再生開始直後、画面左下に注目)

攻撃関連スタッツを比較してみた

スタッツと言っても色々あるので、今回は攻撃面のスタッツをまとめてみました。ちなみに数値はすべて90分換算にしています。

  シュート
本数
キーパス
本数
パス
本数
パス
成功率
ドリブル
回数
ドリブル
成功率
タッチミス
回数
ボールロスト (被タックル)
久保 1.4 0.5 20.2 62.8% 4.7 45.0% 1.9 2.3
ビダル 0.9 2.0 29.2 74.4% 1.6 53.8% 3.1 1.0
ロチーナ 3.9 1.0 40.6 67.2% 4.3 61.9% 2.1 1.6
オレジャーナ 1.7 1.4 33.5 77.1% 4.2 42.5% 2.3 3.7
ホアキン 1.1 2.5 41.7 86.0% 3.3 52.4% 1.3 0.9
メンデス 1.5 0.3 42.4 78.6% 4.3 69.2% 2.8 0.5
ガンイン 1.8 0.6 35.8 91.4% 2.5 75.0% 4.3 2.5

※各項目の最良値を青太字最悪値を赤太字にしています。 ヤフーニュースの記事では「久保選手はパス成功率の改善が必要」ってなことを言われていましたが、今回抽出したメンツの中では最低値のパス成功率62.8%ですから、否定はできないでしょうね。そもそもパス本数が少なくて、パス回しに参加できてないようにも見えます。 ドリブル回数は90分換算で4.7回と非常に多いですね。ただ、こちらも成功率は45%と良いとは言えません。ですが、今回比較したメンツの中で最も評価点の高いオレジャーナが、一番ドリブル成功率は低いんですよね。タックル食らってボールロストしていることも多いです。要は点に繋がるかどうかってことなんでしょうね。

キック精度が課題か

パス成功率やドリブル成功率が低いのも、「いいタイミングでボールが来ないから」という見解もあると思います。私も、数%分くらいはそれが要因だろうと感じています。 ただ、結局パスであったりシュートであったりの、「ボールのキック精度」が欠けているので、目に見えるような結果には繋がっていませんし、キーパスなんかも増えていないってのが現状じゃないでしょうか。

16位とマジョルカの1つ下にいるエイバルで、3ゴール2アシストと気を吐いているオレジャーナと比較すると、ドリブル関連の数値は似たようなものです。タッチ数の差を考えれば、ボールロスト関連の数値もそんなに差はないでしょう。違うのはゴール数、アシスト数、キーパス数、パス成功率なんです。 「望ましいパス相手やシュートコースを見つけ、そこに高精度のボールを蹴れるようになる」これが久保選手の近々の課題なんではないでしょうか。 今後、この辺の数値が上がって、ゴールやアシストがガンガン増えていくことを、切に願っております!

※マヨルカのチームデータからも分析してみました。興味のある方はコチラにどうぞ!