欧州サッカー 19-20シーズンの中断状況(イングランド,ドイツ…etc編)

2020年6月4日

各国リーグの中断期間や、再開(あるいは中止)の検討状況についてリーグ毎にまとめています。各リーグがどんな状態かの確認に使ってください。※2020年6月4日更新

チャンピオンズリーグスペインイタリアフランスの情報は『欧州サッカー 19-20シーズンの中断状況(UCL,スペイン,イタリア,フランス編)』にまとめています。

ちなみに、各国の新型コロナの感染拡大状況などについては外務省のホームページがまとまったデータを提供してくれていますので、一応紹介しておきます。
外務省「各国・地域における新型コロナウイルスの感染状況」

※ズラーっと書いているので、興味のあるところに目次からジャンプしてください!

プレミアリーグ(イングランド)

中断状況(残り9節)

プレミアリーグは29節が概ね完了。9節を残した状態で中断されています。
順位表はこちらをご参考に

プレミアリーグが他のリーグと違っている点は、優勝クラブが決定的状況ということです。

現在、1位リヴァプールが勝点82、そこから大きく離れて2位マンチェスターCが勝点57(消化試合数は1つ少ない) です。詳細な計算は省きますが、プロ野球的な言い方をすれば“マジック2"となります。

UCL権争いは、3位レスター(勝点53)が頭1つリードで、以下チェルシー(48)マンU(45)ウォルバーハンプトン(43)シェフィールド(43)でしょうか。4位までがUCL権、5位がEL権で、カップ戦の結果によって6,7位までEL権の可能性があります。

降格争いはブライトン(29)、ウェストハム(27)、ワトフォード(27)、ボーンマス(27)、アストン・ヴィラ(25)、ノリッジ(21)ですね。下位3チームが降格となります。

再開見通し

一時期はシーズン終了が囁かれ、「リヴァプール30年ぶりの優勝が消滅!?」と騒がれましたが、現在は沈静化しています。シーズン終了ではなく、残りの9節を完結させる方針を明らかにしたからです。

再開時期は6月12,13日あたりを目安にしている模様

ただし、同国ではロックダウンが続行中ですから、練習再開も含めて「確たる目処は、何1つ立っていない状況」です。再開時期も、「絵に描いた餅に過ぎない」と言えるかもしれません。

ちなみに、再開後はホーム開催ではなく、人が集まってきにくい中立地開催にて、残り試合を消化しようと考えているようです。

6月17日から再開予定(6/4追記)

プレミアリーグの再開が決定しました。リーグカップ決勝のために順延されていた2試合を6月17日に開催し、6月19日から本格再開となる見通しです。

ちなみに順延されていた2試合は以下の通り。この試合が17日に開催されます。

マンチェスター・シティ対アーセナル
アストン・ビラ対シェフィールド

マンC対アーセナルは面白そうですね。グアルディオラ監督とアルテタ監督の師弟対決に注目です。派手に打ち合って、沈滞した雰囲気を吹き飛ばして欲しいです。

ブンデス・リーガ(ドイツ)

中断状況(残り9節)

ブンデスリーガは25節終了時点で中断されています。ブンデス1部は18チームで全34節なので、残り9節ですね。
順位表はこちらをご参考に

優勝争いはバイエルン(勝点55)が1歩リード、以下ドルトムント(51)ライプツィヒ(50)ボルシアMG(49)レヴァークーゼン(47)と続いています。UCL権4枠も、この5チームでの争いといったところ。

降格争いの方はかなり絞られており、降格候補2チームはブレーメン(18)、バーダーボルン(16)です。1つ上のデュッセルドルフ(22)までが降格のありえるラインでしょうか。

再開1番乗り?

ブンデスリーガは他と比べると動きが素早く、チーム練習は既に再開されています。

再開日はオープンになっていませんが、5月16,17日あたりを目標にしているようです。残り9節なので、過密日程で突っ走れば6月中のシーズン完了も不可能では無いように思いますね。

イタリアと違って、政治の側も再開を支持しているようです。ゼーファー内相が今月中の再開を支持すると表明しました。

順調にいけば、主要リーグの中でブンデスが最も素早く再開してくれそうですね。

ただし、未だ感染は拡大しており、ケルンのスタッフ・選手3人が新規感染したという発表もありました。早めに再開するのは喜ばしいですが、5月中旬というスケジュールに現実性があるのかどうかは微妙な気がしますね。

5月16日に再開済!(6/4更新)

ブンデスリーガは5月16日から再開されています。

現在28節まで消化され、残るは6節です。

再開後、スムーズに勝点を積み上げたバイエルン・ミュンヘンが抜け出し、勝点64で1位2位はドルトムントで勝点57。残り6節で勝点7差はかなり厳しいですので、バイエルン8連覇がほぼ決定と言ったところでしょうか。

ブンデスリーガはスカパーで視聴できます!

リーガ・NOS(ポルトガル)

中断状況(残り10節)

リーガ・NOSは24節が完了した状態で中断されました。リーガ・NOSは18チーム全34節なので、残り10節です。
順位表はコチラ

優勝争いはポルト(勝点60)とベンフィカ(59)の一騎打ちとなっています。ちなみに、UCL権は2枠なので、この2チームで決まりでしょう。EL権はブラガ(46)スポルティング(42)が有力です。

蛇足ですが、スポルティングは2018年の練習場襲撃事件で主力がゴッソリ抜けて以降、どうにも不調な印象です。ポルトガル3強が2強になってしまった感じですね。

再開見通し

5月30日の再開を目指しています。

アントニオ・コスタ首相が他のスポーツは停止させている中、リーガ・NOSだけ「唯一の例外」だと言って5末再開を発表しました。

6月4日再開予定(6/4追記)

リーガ・NOSは6月4日に再開と決まりました。

FIFAの提唱した交代枠の5人化に加え、ベンチ登録枠が通常7名のところを9名に拡充するそうです。

エール・ディヴィジ(オランダ)

中断状況(残り8節)

エール・ディヴィジは26節がほぼ消化された状態で中断されました。
順位表はコチラ

シーズン打ち切り!

エール・ディヴィジは4月25日に、19-20シーズンの打ち切りを決定しました。

打ち切りの背景は、オランダ政府が「9月頭までの大規模集会禁止」という方針を打ち出したからです。致し方ありませんね。

エール・ディヴィジは優勝と昇格&降格は"無し"となり、UCL/EL出場権は現在順位に基づいて決定します。

UCL権:アヤックス、AZ
EL権:フェイエノールト、PSV、ヴィレムⅡ

AZがUCL権をゲットできたので、菅原由勢選手が来シーズンに出場できることを期待したいです!

6位ユトレヒトは不満

一方で、6位のユトレヒトは不満を抱いています。

ユトレヒトは5位ヴィレムⅡと勝点3差の6位ですが、消化試合数が1試合少ないです。加えて、同勝点の場合に順位を決める得失点差は、ユトレヒトが+16、ヴィレムⅡが+3と大差です。

つまり、ユトレヒト的には「試合数を平等にして、俺達がもう1つ勝てたなら、得失点差で俺達が5位だった」と言いたくなるわけです。

理由はさらにもう1つあります。本来オランダのEL出場権は、リーグ3,4位と、KNVBカップ優勝チームに与えられます。

このKNVBカップですが、今期は「残すは決勝だけ」という状態で打ち切られてしまいました。幻の決勝カードはフェイエノールト対ユトレヒトです。

ユトレヒトは、リーグ戦もカップ戦も、「あと1試合あれば自力でEL権ゲットの可能性があった」という状況でしたから、「ヴィレムⅡに巻き上げられてしまった」と感じるのも無理はありませんね。

ジュピラー・プロ・リーグ(ベルギー)

中断状況(リーグ戦は残り1節)

ベルギーリーグ1部は特殊な大会形式を採用しており、

16チームによる総当たり⇒上位6チームでプレーオフ

という流れで実施されますが、16チーム総当たりは29節が終了しており、残り1節です。

シーズン打ち切り…の決定を延期!?

有力リーグの中で、最も早く打ち切り方針を提示したのがベルギーでした。4月上旬に協会やクラブが打ち切りの方向で概ね合意できたので、4月15日に最終決定投票をする予定でした。

しかし、ここにUEFAが待ったをかけました。追撃のように「途中打ち切り止めろ!」というガイドラインまで提示したためベルギー協会側は後退を余儀なくされます。
※ガイドラインについては前記事をご参照下さい

現状は、打ち切り投票が延期(※)を繰り返して迷走状態に陥っています。先頭を切って打ち切り意志を示した結果、UEFAの介入を呼び込んで泥沼化してしまった感じですね。
※4/15→4/24→5/4→5/15と3度延期

やっぱり打ち切り!(6/4追記)

迷走していましたが、5月15日の会議で打ち切りが正式決定しました。打ち切りキャンセルをキャンセルした格好ですね。(格ゲーの必殺技か)

5月8日、ベルギーの国家方針として「7月31日までのスポーツイベントの中止」が決まりましたので、「もはやこれまで」となった模様。

順位は現状の29節時点のまま決定となりました。昇格・降格はアリです。まとめると以下の通り。

優勝クラブ・ブルージュ(UCL本選)
UCL権:AAゲント(UCL予選)
EL権:シャルルロワ(EL本選)、アントワープ(予選)、リエージュ(予選)
降格:ベフェレン
昇格:ルーベンorベールスホット・ビルレイク(注1)

注1:ベルギー2部は前期後期制なので、昇格チームは前期優勝ルーベンと後期優勝ベールスホット・ビルレイクによるプレーオフで決定する予定。

小林祐希の所属するベフェレンが降格となったのは残念です。反面、森岡亮太のシャルルロワ、三好康児のアントワープがEL出場権を得たのは喜ばしいことですね!


欧州主要リーグの状況まとめは以上です。

※チャンピオンズリーグやスペイン、イタリア、フランスの情報は『欧州サッカー 19-20シーズンの中断状況(UCL,スペイン,イタリア,フランス編)』にまとめています。