ブンデス1部チーム数で見る西高東低ドイツ
「ブンデスリーガのチームって、なんか西に固まってねぇか?」と思いませんか?
ドイツ経済は西高東低と言われますが、ブンデス1部所属チームの数から、その格差を考えてみましょう。
※前置きがちょっと長いので、結果だけ知りたい人はここをクリック
- 1. ドイツは東西分裂してたんやで……
- 2. 2000年以降のブンデス1部の東西延べチーム数
- 3. 頑張れRBライプツィヒ!金を出せレッドブル!
ドイツは東西分裂してたんやで……
今の若い人は「ベルリンの壁崩壊」と聞いてもピンと来ないかもしれません。
ですので一応言っておきますが、ドイツは第2次大戦後に東と西で別の国に分裂していました。
東側はソ連管轄、西側は英米仏管轄になったので、政治体制の違いから分かれてしまったんですね。
両国のエリアはだいたい↓の図の通り。だいぶ東寄に国境が設定された感じですなぁ。

ちなみに、ベルリンは東ドイツ圏ですが、市内が2分割されていて西ベルリンは西ドイツ圏、東ベルリンは東ドイツ圏でした。
この西ベルリンと東ベルリンを物理的に隔てていたのが下絵のベルリンの壁っていうことです。
統合は結構キツかった
で、1989年にベルリンの壁が壊れ、1990年に西ドイツが東ドイツを併合する形で再統一を果たしたワケなんですが、これがまた大変だったんです。
元々同じ民族・国家だったとは言え、40年間も別の国として歩んできてしまった上に、西ドイツは資本主義国家で東ドイツは共産・社会主義国家です。社会制度も豊かさも大きく違う状況になってたんですね~(唐突な池上彰風)。
でも一緒の国になったからには、ある程度の「均一さ」が必要ですから、西側が予算を投じて東側を変えていくという難事業が必要になったんです。人口は西ドイツの方が多かったので(東1600万人,西6300万人)、負担を分かち合うという点ではマシだったのかもしれませんが。
2000年以降のブンデス1部の東西延べチーム数
さて、やっと本題です。
この東西の格差を、ブンデスリーガ1部のチーム数から測ってみようというのが今回のテーマです。
方法は「2000~2001年シーズンから、今年の2019~2020シーズンまでのブンデスリーガ1部所属の延べチーム数を東西別にカウントして比較する」にしました。
1チームの1部所属1シーズンを1ポイントとして、東西で何ポイントになるか算出するのです。
※カウントの例:バイエルンミュンヘンの場合
バイエルンは20シーズン通して、当然ながら1部に所属しています。(13回優勝)
そしてバイエルンのホームタウンのミュンヘンは旧西ドイツ圏です。
→西に20ポイント加算
ってな感じで20シーズン×18チームを東西に振り分けてった結果がこれだ!
東ドイツ:17
西ドイツ:343
「うわっ…、東ドイツの存在感少なすぎ…?」
正直ここまで格差があるとは予想していませんでした。合併時の東西人口比は1:4でしたけど、ここ20年間でのブンデス1部での存在感は1:19ってことになります。
ちなみに00年以降に1部に所属したことのある旧東ドイツ圏のチームって、以下の4チームしかありませんでした。
ハンザ・ロストック:6シーズン
エネルギー・コットブス:6シーズン
RBライプツィヒ:4シーズン
ウニオン・ベルリン:1シーズン
※ヘルタベルリンは『ベルリンの西側地区』のチームであるため除外
現代のサッカークラブ運営において経済的バックボーンは必須ですから、東西の経済格差が如実に表れている結果だと言えそうですね。
頑張れRBライプツィヒ!金を出せレッドブル!
当然ながら1部で優勝した旧東ドイツ圏のチームはまだ存在しません。
企業が運営していてブンデスリーガの品位がどうだと叩かれているRBライプツィヒですが、旧東ドイツ圏チームで優勝できそうなのはココしかありません。ゆえに私は応援したいと思います。
頑張れRBライプツィヒ!頼むぞナーゲルスマン!金出せレッドブル!ヴェルナー移籍しないで……
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